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その本を丁度真ん中で開いて、両手で掴む。
恐らく、私の予想は的中する。
それだけはダメ。
それは、私の大切なものなのだから。
「この本、真ん中から破れると思う人~!?」
リーダーがそう仲間に言い出すと、ケラケラ笑いながら周りのギャルが手を挙げる。
私は必死に取り返そうと手を伸ばす。
動きの鈍い私には、到底取り返せる訳もない。
終いには腹を前蹴りされて、私は尻餅を付いた。
「……や、やめて──」
「せーのっ!」
《ビリビリッ!!》
大切な本が二つに引き裂かれた。
さらに、追い討ちをかけるようにしてその本を近くに放り投げる。
「皆せいかーい! 答えは破れるでしたぁ~」
この本は厚みがなく100ページちょっとしかない。
他の本よりも薄いから、女の力でも直ぐに破られてしまう。
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