玲央菜‐れおな‐

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恐怖が体を支配して、動かない。 逃げなきゃ。 逃げなきゃ……! なんで動かないの……! 再び涙がこみあげてくる。 「聞いてんのか? ……お前らだよ」 私なんか眼中になかったらしい。 もしかして、助けてくれるの? 少しホッとする。 彼女の標的はギャルたちに向いている。 「どーでもいいだろ、そんなの……。大体、お前学校にも来ねーで、あたしたちに──」 ピタリと話すのを止めた。 何かを悟ったかのように、口を閉じる。 これ以上口を開いたら、()られる。 怯えた表情。 あのギャルたちがこんなに怖がるなんて。 あの人、一体何なんだろう。
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