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「おはよー玲央菜ちゃん。……あれ? 上履きはどうしたのぉ??」
わざとらしい。
お前たちじゃんか、上履きにイタズラしたの。
廊下や教室の床は冷たい。
私だって、履けるものなら履きたい。
「無視すんなよっ!」
ギャルが私の机を蹴り飛ばした。
机は派手な音をたてて、倒れる。
中の教科書が床に飛び出た。
「もう……やめてよ──」
堪えきれず、涙が流れ出してしまった。
まだ朝だ。
登校してきたばかりなのに。
もう、学校に来たくない。
「お前がこの世から居なくなれば、虐められなくなるんじゃない?」
なに、それ。
私は、ただ静かに過ごしていたいだけなんだ。
関わりさえしなければ普通に生活できるのに。
どうすれば助かるの?
どうすれば。
もう私の前から居なくなってよ。
一人にしてよ。
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