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普段通り時間が進む。
いつもと同じように授業をする。
ただ、違うところがあるとすれば、今日は教室に安藤悠里がいるということ。
時々、授業中に彼女の方を向いた。
ずっと外を眺めている。
今日はどこにも行かないんだ──
────
学校での一日を終え、私は帰り支度を済ませる。
そして、皆が帰ったあとの静かな教室で30分だけ読書をする。
それが私の日課になっていた。
ここで読む本が凄く楽しいんだ。
いつもは賑やかな教室が、今は静まり返っている。
落ち着いたこの場所が、とっても好き。
しかし、今日は違う。
後ろを振り向くと、例の彼女が机に伏せて寝ている。
どこにも行かないかと思えば、一日中寝ていたらしい。
私は開いた本をパタンッと閉じた。
ゆっくりと足を進めて、彼女の伏せる机の前に立った。
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