玲央菜‐れおな‐

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少し癖のある金髪。 さらさらと机の上で乱れている。 「あ、あの……」 「……んぁ?」 起きた。 呟く程度の声をかけたら、一発で起きた。 寝惚けた顔で私を凝視する。 「帰らない……んですか?」 「……」 何も言わず彼女は立ち上がる。 そのまま鞄を手にすると、私を無視して教室の出口へ向かった。 知っていたことだけれど、やはり朝は私の事を助けてくれた訳じゃない。 こんなにも嫌がられている。 「あのさぁ」 「……は、はい」 急に彼女は立ち止まる。 こちらを見向きもしないで、話しかけてくる。 「なんで敬語なわけ?」 「え……」 言葉と同時に振り向いた彼女から、顔を反らした。 だって、それは、怖いからだよ。 あなただけということではない。 周りの皆が。 私には、周りが皆敵にしかみえない。 誰にも関わりたくない。 だから穏便に対応できる敬語を遣う。 それに、あなたまで敵に回したら、私は耐えきれない。 「同い年だろ? 意味わかんねーよ」 そういう考えをもつ人間もいる。 でも、私は違うんだよ。 「ご、ごめんなさい……」 彼女は体ごとこちらに向けた。 少々怒った様子で睨み付けられる。 どうしてこうなっちゃうんだろう。 私は、何もしていない。 私なんか 居なければ良いのかな
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