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「お前が弱いって、誰が決めたんだよ」
誰が決めた──
それは、私自身が。
いつも弱気で、小さくなっているのが自分でも分かる。
恐る恐る彼女と視線を交わす。
恐怖にかられて、体が震え出した。
なんで私はいつもこんなに虐めの標的になるの?
助けてくれたと思ったら、いきなりお説教。
『構わないでよ!』
そう言いたかった。
でも言えない。
言葉が詰まって、声にならない。
その時、彼女の無表情が視界に入る。
何故だろう。
少しホッとして、自然と言葉が出た。
「だって……私、虐められるもん……! 弱いから、だから、虐められるんだ……!」
想像以上の声量。
私の大声に、彼女は驚いた表情で目を見開く。
驚いた拍子に、一歩仰け反った。
「……なんだよ、言いたいことちゃんと言えんじゃん」
微かに微笑む彼女。
自然と私の体から、震えが消えた。
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