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私は足を止めてしまった。
理由は体力切れ。
口の中は少し血の味がする。
帰路。
歩道の真ん中で、汗だくになる私。
体育以外で走ることになるなんて。
「もう、走れない……」
ゆっくりだが、少しずつ歩いた。
歩幅は小さいが、一生懸命彼女を追いかける。
走ろう。
しかし、彼女の姿は完全に視界から消え、見失ってしまった。
人一人追いかけることもできないんだ、私は。
肩を落として、溜め息をつく。
情けない。
本当に私は何もできない人間だ。
少し可笑しくて、「ふっ」っと声が漏れてしまった。
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