玲央菜‐れおな‐

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──── 部屋に戻って、作ったみたらし団子を彼女に渡す。 「うまっ!!」 頬に片手を添えて、想像もつかない愛らしい表情を見せた。 喜んでもらえて良かった。 嬉しい。 誰かに喜んでもらえるって、こんなにも嬉しい事だったんだ。 「あら? お友達?」 自室を覗き込んきたのは、私のおばあちゃん。 70歳だけど、まだまだ元気。 彼女がおばあちゃんに軽く頭を下げる。 私は少しあたふたして、顔が赤くなった。 「初めてじゃない? 玲央菜が友達を連れてくるなんて。よろしくねぇ」 おばあちゃんは彼女に微笑みかけると、再び彼女は軽く頭を下げた。 友達だなんて。 私と友達。 でも、まだ友達になろうって言ってないし、第一、友達になってくれるのかどうか分からない。 おばあちゃんは去っていくと、彼女が私をじっと見ていることに気付いた。
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