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挨拶がなくたって、
ありがとうございましたなんて言われなくたって、別にそれでいい。
みたらし団子。
これが食べられれば、それでいい。
あの子のことを嫌いだとか不愉快だとか、そんなこと思わない。
だって笑顔だし、可愛い。
あたしって変わっているのかな?
他人に何て思われようが構わないけれど。
それに。
それにね。
あたしには分かる。
多分だけれど。憶測だけれど。
あの和菓子屋の女の子は──
〝話すことが出来ない病気なんだ〟
だから、口を開かないんだ。
ただ単に、あたしが見た目の悪い不良だから、話したくないだけかも知れないけれど。
和菓子屋を出て歩き進める。
途中で振り返ると、まだ笑顔を絶やさない女の子がいる。
毎回外へ出てきて、わざわざ遠くからお辞儀する。
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