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何にも興味を持たないあたし。
だけれど、不覚にもあの子に少し興味が湧く。
あたしにしかあそこまで丁寧じゃない。
他の客には、笑顔を作ってカウンターで軽く頭を下げるだけ。
名前──
名前は、なんていうんだろう?
こんなこと思っても、無意味か。
訊いても、あの子は話せないのだから。
学校は行ってるのかな?
どこの学校かな?
夕方はこうして働いているんだ。
じゃあ、部活はやってないのかな──
ダメだ、止めよう。
考えるだけ時間の無駄だ。
このままでいい。
このまま、客と店員のままで。
この先も変わらずに、あたしはみたらし団子を買う。
あの子は笑顔で見送ってくれる。
それで、いい。
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