玲央菜‐れおな‐

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避けられない運命なのだろうか。 時と場所は違えど、最終的に辿り着く終点が同じなのだとしたら、繰り返す意味がない。 やり直す意味がない。 ただ、現在の状況で一つだけ言えること。 〝この世界は不正解〟 だから私は時間を巻き戻す。 悠里ちゃんと出会わない、正しい世界へ。 ── 時間が少し、巻き戻る。 四時間目が終了し、お昼休み。 私はリーダーのギャルに腕を引っ張られていた。 以前の世界で、私は抵抗もせずにただ従っていた。 今回は違う。 必死に抵抗し、その場で踏みとどまる。 クラスの皆は見ないフリ。 誰も顔をこちらへ向けもしない。 「早くこいよ!」 話すことが出来ない私。 首をブンブン横へ振って、ギャルから逃れようとしていた。
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