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出血なんか気にもならなくて。
悔しい気持ちで胸がいっぱいだった。
やっぱり、一人じゃ何も出来ないんだ。
せっかく悠里ちゃんに勇気を貰ったのに。
運命に抗っても、何も変わらない。
きっと、私が望む正しい世界なんてものは実現出来ないのかも知れない。
一番最初の──あの世界が、本物の姿なのだ。
「ねえ」
聞き覚えのある声。
きっと悠里ちゃん。
同じだ。
前と同じようにホースの先が私から逸れる。
前と同じように静寂になる。
そして──
「お前ら全員、ぶっ殺──」
悠里ちゃんが言いかけた瞬間、時間が巻き戻る。
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