自分の素直な気持ち……。

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自分の素直な気持ち……。

「いいなぁ~翔馬君のところ猫が居て。 私も触ってみたい」 「なら今度家に連れて行ってやるよ。 ピーターも喜ぶと思うし」 「うん。」 翔馬君と居ると楽しみが増えていく。 私にとって嬉しいことばかりだった。 それから何分間か見た後、3階の本屋に立ち寄った。 翔馬君は、本を一冊買うためにレジに並ぶ。 私も気になる本を探していた。これとか面白そう。 本棚に手を伸ばそうとすると 「あれ?菜乃ちゃん」と涼太君の声が聞こえてきた。 振り向くとやっぱり涼太君だった。 あ、お兄さんも一緒に居る……。 「あ、こんにちは」 まさか2人に会えるなんて思わなかったから 驚いてしまった。買い物しに来たのだろうか? それにしても仲がいいなぁ……。 「奇遇だな。1人で買い物?」 「いえ。翔馬君も一緒です」 「翔馬?あ、デート?何だよ……アイツ。 俺にデートするって行ってけよ」 翔馬君と一緒だと聞いて涼太君は、呆れながらも ぶつくさと文句を言っていた。 それを苦笑いしながら見ていた涼太のお兄さんに私は、 「2人も買い物ですか?」と尋ねてみた。 「いや。もう2人。涼太と翔馬君のクラスメートで 亜美ちゃんって子とその子のお母さんが来ているのだけど。 ほら、あの子だよ?」 そう言うと指を差してきた。えっ? 振り向くと本を買ってきた翔馬君と 車椅子の女の子が話し込んでいた。あ、あの子!! 車椅子バスケで見かけた子だ。 あれ?亜美って名前……確か。 涼太君と翔馬君が話していた子のはずだ。 そして涼太君の片想いの相手。
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