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え……これは、どういうことでしょうか。
繋ぎたかったって事?
握手しちゃったよ。
「店入ってからって思ってたけど……悪い、ちょっと早いな」
きゅっ、と、つないだ方の指に力を入れて
この“繋いでる手”の事に彼が言及した。
「さすが、瞬発力のフォワード」
「ぶっ、あのなぁ」
「攻めるタイプ」
「あのなぁ……」
「少し、勉強しました……」
私が彼のポジションを少し調べた事を冗談で伝える。
「間違えても“愛のトライを決めた”とか言うなよ?」
「あはは!」
「それな、絶対言われるんだよ、ネタ」
「スポーツ新聞の見出し!」
「そ、あと結婚式のナレーション」
……ん?あれ……じゃあ、コレ……
繋いだ手に目を落として、もう一度水城くんを見上げた。
目が合うと、可愛く笑う。
「裏は取ってる。彼氏いないの知ってる」
「リサーチ……」流石だ。
「そういうことで、いい?」
彼は左手で私の繋いでる左手をパシンと優しく叩いた。
「まだ、よく知らないのよね、ラグビーのルール」
「うん」
「水城くんの言った意味も」
そう言うと大人っぽい彼が、子供みたいに笑った。
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