ハガネのカラダ

1/6
340人が本棚に入れています
本棚に追加
/17ページ

ハガネのカラダ

言わずと名の知れたこの大企業に運良く転職出来たのは、27歳を迎えてすぐだった。 ここ、生産管理部でも……途中で仕事を抜けたり、戻ったり……定時ピッタリに帰っていく社員がいる。 「お疲れ、頑張れよ」 そう声をかけられ、会釈して出て行く。 妙にゴツい男。不思議そうな目で彼を見送る私に上司が言った。 「そっか、浅野さん知らなかった?うちの会社はチーム持ってるからね。彼らは“社員契約”」 同じ部署ではあるものの、席も離れているし 個人的に話した事はなかった。 さっきのゴツい男は 【水城(みずき)秀人(しゅうと)】 まだあどけなさが残る、1年目の社員だったと思う。 そう言われれば……ラグビーに詳しくない私でも知っている。 “トップリーグ”……か。 きっと、彼は選手名鑑にも、wikiにも載ってる。 (※作者注:載ってません。フィクション!)
/17ページ

最初のコメントを投稿しよう!