仕事納めの、晩でした

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答え合わせをしたら、彼女の記憶は肝心のところが抜けていた。 「”彼女”じゃなきゃ抱かないって、言ったんだよ」 「・・・・すみません覚えてません。でも、じゃあなんで」 「だから”彼女”になるかって」 そう言ったら「はいっ」て、嬉しそうに笑ったくせに。 きれいに忘れてるんだから、やはり酒は怖い。 2次会のあと同じタクシーに乗ったのが同意の上だったってのは覚えてくれていた。 部下を酔わせて連れ込んだ犯罪者みたく記憶されてたら最悪だったから、心底ほっとした――が。 ちゃんと付き合うと決めて、それからベッドを共にしたことは忘れられていて。 俺は夢中になって抱いたのに、と。 翌日も抑えきれず昼間っから抱いたのに――と。 幸福感に浸っていたというのに、単なる欲求不満男と見られていたとなれば、 恨めしいことこの上ない。 「ごめんなさい。なんか嬉しかったことだけは覚えてるんですけど」 危なっかしいな、それ。 確かに、かなり酔ってはいたけどなぁ。
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