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―― うん、覚えてる。
記憶を失ったわけでもなく
酔っ払ったところを同意無く持ち帰られた訳でもなく。
ただ気分良くなって・・・・
「行きます」と言ったのは紛れもなく私だ。
ええと、
ホテルじゃあない、相手の部屋だ。
しっかりシャワーまで使わせてもらった。
―― うわぁ、
またやってしまった。
二度あることは三度ある、というか。
二度やったことは三度してしまう、らしい。
小さく溜息を吐いたのが悪かったのだろう、
相手の寝息が止まる。
寝たふりを続けたほうがいいのかと迷うが
どうしても体が緊張で固くなり、
「・・・・宮田?」
起きているのがバレた。
どうしよう、と目を開けずにいると
「起きてたの?」
掠れた色っぽい低めの声が
至近距離どころか体を通じてダイレクトに伝わるから
動揺もするってもんだ。
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