東京スカイツリーダイヤモンド

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部屋にスマホのアラームが鳴り響く。 涼玖(りく)はベッドからゆっくり起きると片目を閉じたまま頭をかいた。 今日、10月15日は24歳になる自分の誕生日だ。 昨日の夜はLINEで、「朝9時に家に迎えに行くよ」 彼女の結衣子(ゆいこ)とそんなやり取りをしていた。 デートの約束。 大丈夫…今日は寝坊しなかった。 素早くシャワーを済ませると身支度を整えながら、 脱いだ下着は無造作に洗濯機に放り込む。一人暮らしは気楽だ。 涼玖は出掛ける直前に クローゼットの中にある引き出しを開け指輪をズボンのポケットにしまい家を出た。 それは、前の彼女に振られた時に突き返されてしまった指輪。 持っていても仕方無いと思い、今日こそはどこかに捨てると決めていた。 待ち合わせ場所の駅の近くに車を停めぼんやり外を眺めていると いつの間にか結衣子が車の横に立って運転席を覗き込んでいた。 少し驚いた様子の涼玖を見ると嬉しそうに助手席のドアを開けて乗り込む。 「お誕生日おめでとう!」 「ありがとう!」 涼玖がそう答えると、結衣子はすかさずリボンのついた袋を手渡そうとした。 「えっ!もうプレゼントかい…!?」 流石にいきなりプレゼントを貰うのはムードが無いから、 出来れば後にした方がいい…という話になり、 涼玖も結衣子も笑いながら納得して、 とりあえず車を発進させる事にした。 「何処に行くの?」 「そうだな。スカイツリーなんてどうだい?」 「わかったわ。今日は涼玖の誕生日だし…任せるね。」 二人を乗せた車はゆっくりと走り出した。
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