黒猫ロータスちゃんが甘いお菓子をたっぷり食べちゃうお話

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黒猫ロータスちゃんが甘いお菓子をたっぷり食べちゃうお話

 駅から徒歩10分の微妙な立地で雑貨屋の店主をしているご主人様が段ボールを抱えお店に運んでいる、お店の商品をどけて段ボールの中身を陳列している、カラフルなお菓子が並んで……おしゃれな駄菓子屋みたい。 「ロータスも新商品気になるかい?」  ロータスと呼ばれたのが僕、黒色に白いお腹の普通の猫。お店の柱に上ってご主人様を見ていたのです。 「並べているの、お菓子?」 「そうだよー何時もの地味で高い魔術道具は奥にしまって安くて綺麗なお菓子を売ろうと思ってねー」  ご機嫌に体を弾ませながらせっせとお菓子を並べていく。 「できた! それじゃあちょっと出かけてくるから留守番よろしくねー!」  そう言ってほうきではなくオートバイに乗ってご主人様はどこかに行ってしまった。  柱から降りて商品を眺める、値札を見てもそこまで高そうではない……確かに前売っていた魔術道具よりは買う人多そう。 「これお菓子なんだよね……食べれるのかな……」  色鮮やかな宝石の様なお菓子の数々、前足で瓶に詰まったお菓子を触れようとしてみると自然と尻尾が立ち上がりゆらゆらと揺れどきどきしてくる。 ついつい周囲を見渡し食べられそうなお菓子を探して見るとお皿の上においしそうな虹色のお饅頭が置いてあった。  器用にお菓子を避けながらお饅頭のあるテーブルまでぴょんぴょんと飛び移る、前足でちょんと触り匂いを嗅ぐ……ふんわりと甘い匂いがして美味しそう、ぺろりと舐めてみると塗された白い粉が甘くて美味しい、ゆっくりとやわらかくてふにふにしたお饅頭を食べていく、見た目通りの食感にたっぷりの甘さにほっぺが落ちそう……人間用のお菓子は大味でなんかもうふにゃんふにゃんになっちゃう。  ゆっくりと食べ進めていると口の中で弾ける様な感触がした、ちょっとびっくりしたけどなかなか癖になってこれはもう……お口の中に含んでお饅頭の乗ったお皿の横でごろりん、ふにゃぁぁ……ぱちぱち甘々しあわせぇ……  ふとおなかを両前足の間から覗くとぽわぽわ光っていた、パチパチのせいかな……痛くないから大丈夫かな、それよりももっと食べたい。  隣のお菓子も瓶に入ってないから食べられそう、六角形の虹色の宝石? 体を起こして首を傾げながら鼻先を近づけ匂いを嗅ぐ、お饅頭よりは甘い匂いがしないけれどほのかに甘い匂いがする、はむっと一口……見た目とは裏腹にやわらかく崩れ僕の口の中に入っていく、あまぁぁぁ♥  口の中に崩れたお菓子がお口の中を甘味でいっぱいにする、ちょっぴり酸味もあって……しゅわしゅわする。もっと食べたいからもっと食べる、もぐもぐと六角形の宝石を消費していく、美味しくてあっという間に平らげてしまった。
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