危険?

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いや待て待て取り乱すな、落ち着け俺。何もまだ終わった訳じゃない。ここからうまく誤魔化せばいいんだよ。OK、スマートに行こうぜ。 「いや、違いますね。自分舞校生じゃないっすね」 「.........でも、舞校の制服ですよね、それ.........」 .................ウン、なァんで制服着てきてんのかね俺は!!!!?休日の買い物なのに制服って!!バカか!!!いつもの癖で普通に何も考えずに制服着ちゃったわ!!!学校大好きっ子か!!! 「.........いや、似た制服なんていっぱいあるじゃないっすか。舞校生じゃないですね勘違いです」 「.........でも、そのタイの色はここら辺じゃ舞校と.........あと舞校の隣の学校くらいしかないですけど.........」 「自分、そっちの隣の学校から来ましたね。舞校生じゃないっす」 「へえ、そうなんだ。舞校の隣、女子校ですけどね」 「嵌めやがったなてめぇ!!!!!」 な、なんて頭が回るヤツなんだ、コイツ.........!!!.........うっかり嵌められちまったぜ.........さ、さては、コイツ.........とんでもない天才なんじゃないか!?IQ200超えか!? 俺が不躾にじろじろと見つめていると、いきなり男が立ち上がる。猫背気味の体躯は俺よりやや小さくとにかく細い。軽く蹴り入れるだけで折れそうだな......... ゆっくりと俺と目線を合わせたその男は、やる気の無さそうな顔で目を逸らしながらぼそりと何やら呟く。 「控えめに言ってもクソ頭悪いな.........ますます、舞校生なんだろうなって確信した.........」 「誰がど低脳脳細胞死滅ミジンコ野郎だと!?」 「いや、そこまで言ってないです」 「つうかよ、お前そもそも誰だよ!?さっき一人でいた時あんなにキモ.........ふ、不思議な様子だったのに、何いきなりまともぶってんだよ!!ローテンション敬語キャラとか安易なキャラ付けしてんじゃねぇぞ!そんな薄い個性ぐらいじゃなぁ、この小説じゃ食ってけねぇぞアァ!?」 「だってその胸元のピンの色からして、自分より先輩ですよね?仮にも........だったら、面倒だけど敬語を使わなきゃでしょう?不本意ですけど。のちのちもっと面倒な事になったら嫌だし」 「いちいち一言余計だけども、そんな一般常識が舞校にもあったんですね」 先輩後輩とか上下関係なんて関係なく、己の拳で勝ち上がっていく弱肉強食の世界なんだとばかり思ってましたわ。 一応、形だけは年上は敬うものという精神はあるらしい。いや、もしかしたら不良校こそそういう上下関係っつうのに厳しいのか?
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