危険?

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「.........てか、ファンじゃないって言っておきながら、武虎ってば俺の事結構詳しくない?」 「いや全然詳しいとかないんですけど。え、自意識過剰ですか?自分の事少しでも知ってたら即ホテルおっけーとか思ってます?うわ、こんなにやばい人初めて見た.........インスタにあげよ」 「横っ面引っぱたくぞ!!!!.........やめろ携帯を構えるな!!.........てか、そうじゃねぇよ。ただ、お前.........一年の間でも俺の事って結構広まってんだなーって思っただけだよ」 「.........そうっすね。まぁ、相模さんの話が.........っていうより、渋谷さんの話がって感じですけど」 いまだに携帯を構え俺とのツーショットを撮ろうとしている武虎の顔を押しのけつつ、改めて渋谷との格の違いを思い知る。 .........わかってはいたけど、言葉にされると、こう.........何ていうか.........複雑な所だよな。 「.........で、武虎さ。触れていいかわからないけどもう耐えられないから聞くけど、俺が来る前何してたの?座り込んで何か見てたよな?」 「ああ、食玩見てました」 「.................食玩?好きなのか?」 「好きです。いや愛してます。もはや自分の人生そのものです。もともと小さくて可愛いものが好きなんですけど、更に加えてこの精巧さ。たまらなくないっすか?正直この学校の備品シリーズだけで三回は抜けます」 「へぇ.........え、抜け.........?.........お前、そういう.........と、特殊な性癖、の、方.........?」 「あくまで例えですよ。まぁ、実際いけるんですけど」 「例えじゃないじゃん事実じゃん」 「物心つく前からずっと食玩追いかけて生きてきたらこうもなりますって。無機物相手にしか反応しなくもなります」 「いや多分そうなっちゃうのはすごい特殊だと思うけど.........?.........まぁ、すっげぇやばいヤツだけど、ある意味健全っちゃ健全.........か.........?.........人間相手には無害な訳だし.........」 それまでどつきたくなるくらいの無表情を保っていた武虎がへへと言いながら薄く笑った。.........うわコイツやっぱりやばいヤツだよ。
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