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「.........とりあえず、俺お菓子買いに来ただけだからさ。お前も別に俺に用事がある訳じゃないっぽいし.........帰るわ」
「あ、待ってください。用事ならありますって。自分、相模さんのグループに入りたいんです」
「何だよ、それならそうと早く.................へ?俺のグループ?.................何で?」
「理由がないとダメなんです?」
「いや、ダメではないけど.........数あるグループの中で新設したばっかりのしかも面識がある訳でもない俺のグループに入りたいって言われたら、理由ぐらい聞くだろ.........」
俺達のグループが渋谷の所くらいでかくて強いなら納得もいくけど.........できたばかりで力もないんだ。いきなり入りたいなんて言われても警戒してしまうに決まっている。万が一があるからな。
「最近ちょっと周りがごたごたしててうるさいんで、どっかのグループに所属して、そこのボスに身代わ.........盾.................生贄になってもらおうかなって思ってて。それで、たまたま今日出会ったし.........大勢いるボス達の中じゃダントツ頭悪そうだけど、人が良さそうだし.........まぁ、ちょうどいいかなって」
「いやちょうどよくないんだが?つうかお前言い直しの意味ないってわかって言ってる?.........まぁ、とはいえ断る理由もないし別にいいけど.........言っとくけど、俺のグループは俺合わせて三人しかいないんだぞ?いいのか?一年ならもっと身の振り方しっかり考えとかないと後で後悔するんじゃないのか?」
「.........自分、喧嘩嫌いなんです。痛いし汚れるしだるいし。できる限りしたくないんですよね。だから、強いとか弱いとかそういうのどうでもいいんです.........だから、グループには入りたいんですけど、非戦闘員として入れてください」
「.........武虎自身がいいなら俺は何も言わないけど.................つうか非戦闘員って、お前何かできんの?情報収集とかさ.........得意な事ある?ウチには既に一人非戦闘員がいるからなぁ」
「あ、それはもう決まってますよ。もちろん癒し担当として皆さんを癒します。このきゃわゆい笑顔で。きゃるるん」
「この鉄面皮何言ってんの?舞校でもトップレベルに表情乏しいヤツが笑顔で癒し.........?笑顔って言い張るならもっと笑えよ、表情筋死んでるヤツに癒してもらえる気がしねぇよ。それならむしろ俺の笑顔の方がきゃわゆいわ。見てみろ、きゃるん」
「いや全然可愛くないんでこっち向くのやめてもらっていいですか。不快になるんで」
「お前が先にやったんだろうが!!!!!.........つうか、笑ってるだけマシだろ!!無表情のお前よりは!!!」
「.................笑えるなら、笑ってますよ」
ふいに武虎が俯き、沈黙する。.........え.........もしかして、俺、よく知らないままにすごく軽率な発言した、か.........?
何も言わないまま俯いたままの武虎をしばらく見つめる。
.................やっぱり、ひどい事を言ってしまった、のか.........?
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