第一印象

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冴嶋は俺をおろした後、椅子に座り直しながら少し決まりが悪そうな顔をした。 「……恥ずかしい話よぉ、このクラスになったばっかの時に、渋谷くんに因縁ふっかけて俺含めてクラスのヤツら...そうだな、八割くらいか。それくらいの人数でボコりに行った事があんだよ」 「えっ?冴嶋達が渋谷さん相手に?てかクラスの八割でですか!?」 「ああ。...けど、そん時俺達は一人も渋谷くんに傷一つつけられなくてな......気づいたら全員やられてたんだよ。......いくらそんだけ敵わなかったとはいえ、一人に対して多勢で挑んだのは誉められた事じゃない..........でも、そんなバカみてぇな事したのに、渋谷くんは俺達を許してくれた。......でけぇ人だせ、渋谷くんは」 ......その人数で行って擦り傷一つ作れなかったとか渋谷マジかよ。……まあ、とりあえずコイツらが重度の渋谷厨だってのは理解できたが。 「......渋谷さんって本当に強いんですね」 「......まあ、寝起きの渋谷くんしか見た事ねえなら無理もねぇよ。寝起きすぐの渋谷くんは確かに抜けてて可愛............ちょっと、天然な所もあるからな。.........でも、喧嘩の時は別人だぜ。...お前も見たら驚くかもな。......つー訳で。渋谷くんはボスになるべき人だ」 「.........え、渋谷さんってあれが通常時のテンションじゃないんですか?...てか、喧嘩の時は変わ」 「ちゅーっす!!!お前ら、俺がいねえ間も元気してたかー!?」 ふいに俺の言葉を遮るように、教室にバカ丸出しな大声が響いた。.........この、声は.........
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