危険?

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そして月曜日の昼。色島兄とランチの約束をしている俺は、隣の教室に来ていた。 適当なヤツを捕まえ、色島兄を連れてくるように頼む。しばらくすると、顔をうっすら赤く染めた色島兄が出てきた。 何で出会い頭に照れてんだ.........?.........まさか.........教室内で何かよからぬ事を.........?お、俺というものがありながら.........いや待て俺はどういう立場だ。 「おはよう、色島兄」 「.........おう、お、おはよぅ.................お、お前が、頼んだ、とは、いえ.........く、クラスのヤツとまともに喋ったの、初めて、だ.........った.........けど.................い、意外と、普通だったぜ.........へへ.........」 そう言ってはにかみながら微かに得意げな顔をしている色島兄に俺の良心が悲鳴をあげている。 クラスのヤツと話せただけでこんなに嬉しそうにしてる色島兄がクラスメート達とえっちな事してる訳ねぇだろ馬鹿か俺は。心の醜さが露見してしまった。 しかも話したっていうか俺が頼んで呼び出してもらっただけだし、会話じゃないだろそれ.........とは思うが、言わないでおこう。 .................ていうか初めて話したって言った? 「ひ、昼飯、の事か.........?」 「お、察しがいいね。そうだよ。今日大丈夫?」 「お、おう.........大丈夫、だ」 「そっか、よかった。じゃあどこで食べよっか。何かいい所知らない?」 「お、屋上、はどう、だ.........?涼しくて、結構、快適、だぞ.........」 「お、いいね。じゃあ屋上にしようぜ」 色島兄の提案を受け屋上へ移動した俺達。人のいない屋上は静かだし、確かに涼しくて居心地がいい。 隅っこの方にフェンスに寄りかかるようにして座った.........が。色島兄はそんな俺の前に仁王立ちをして、一向に座ろうとしない。 「どうしたの?早く座って食べようぜ」 「あ、いや.........ど、どこ、に.........座れば、いいのか、わ、わかん、ねぇ、から.........どうしよう、かと.........」 「?.................何言ってんの?隣に座りなよ。一緒に食べるんだしさ」 「い、いいのか.........?......隣.........す、座って、も.........?」 「いやいやいいに決まってんじゃん。むしろ大歓迎だし。ほら、座って」 「お、おう.........じ、じゃ、じゃじゃ、じゃあ..................邪魔、するぞ」 そう言って、微かな躊躇いを見せつつ俺の横にちょこんと控えめに座る色島兄がいじらしい。
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