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「てかさ、ハンバーグがハート型なのはもしかして意味あるの?俺の事好きってことだと勝手に解釈して大丈夫?」
「なっ..................な、な、なな、ななな、な、何言ってんだ!!!?ベッ、別に、そ、そそ、そんなんじゃ.................あ、いや.................お、お前の、事は、その.........そりゃ、すっ.........す、すき、だけど、よ.........別に、ハンバーグの形、作る、時は.................ただ、可愛いかな、って、思って、そうした、だけで.........そこに意味は.........」
色島兄の言う好きと俺の言ってる好きは絶対に意味が違うだろうが、色島兄が可愛いのでまぁよしとする。ていうか、律儀に好きって言ってくれる辺り色島兄はいいヤツだよな本当に。
正直俺としては満足したのだが、ここで加虐心がほんのり煽られたので、色島兄をもう少しからかってみる事にした。
「俺の事考えてそうしてくれた訳じゃなかったんだ.........そっか.........俺は色島兄の事いつも考えてるけど、色島兄はそうじゃないんだね.........悲しいな.........」
「あ.........ち、ちが.................そ、そんな、事.........」
「あーあ、俺の一方的な片思いかぁ.........悲しいなあ、しくしく」
「.........あ、な、泣くな.........!.........お、俺、も、お前の事、考えて、る.........!!.........お前と、知り合ってからは、その.........縫い物してる、時.........料理してる、時とか........お前の事、ち、ちらつく、んだよ..........初めて、俺に関わろうとしてくれた、人間、だから、か.........?.........よく、わからない.................でも、俺も、考えてる、から.........お、お前だけじゃ、ない.........!だから.........」
「.........ちょっと待って、色島兄.........可愛すぎる、俺の理性吹っ飛ぶから、まじでちょっと抑えて.........」
「な、何だよ!?か、可愛いのは、お前だろ.........いつも、思ってた、けど.........俺は、可愛くなんか、ねえ!!!」
「いや、今ここでアンケート取ったら満場一致で色島兄が可愛い爆萌えきゅんきゅんだからね?第一、俺のどこが可愛いんだよ。全てが可愛い色島兄ならまだしも、俺に可愛いなんて言葉似合わ」
「..................わいい、だろ」
「え?」
「..............................お前は.........わ、笑った顔、が、可愛い、だろ.........」
「............し、色島兄.........」
「あ、あう.........な、何か、普段、こんな事言う事ねえ、から、て、照れる、っつうか、恥ずい、っつうか................お、お前、こっち、見るな..........今、変な顔、してる.........み、見られたく、ない.........」
そう言って、微かに赤く染まった頬を恥じらうように手で隠す色島兄を見て、抑えようとしていた俺の劣情が爆発した。
「........だからぁ.........んな、可愛い事言われたら、抑えきかなくなるっつってんだろうが.........!!!!!、!」
「!?.........う、わ、ち、ちょっと、待っ......て...!??」
気づいた時には、俺は色島兄に飛びついていた。
予期せぬ行動に驚いたのか、色島兄は俺を拒むのではなく持っていた弁当を守る事に徹した。
そのせいで色島兄が抵抗できないのをいい事に、俺は日頃から溜まりに溜まっていた鬱憤を晴らすように、色島兄に覆い被さるようにして抱きしめた。
結果的に俺に押し倒される形になった色島兄だったが、無事に死守した弁当をそっと安全な所に置いて、ほっと一息ついていた。
そんな所も可愛すぎるという話なのだが、色島兄を押し倒した俺の頭の中にあるのはこの一言だけだった。.........やっちまった、だ。
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