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その後も色島弟をしばらくからかっては色島弟がポッポと忙しなく赤面しては俺にキレるのを楽しんだ。マジで初対面からは想像もつかねえくらい仲良くなれたよな、色島弟とは。
「さて、と。誤解も解けたところで、昼ご飯再開するか。色島兄の弁当ーっと。色島弟はもうご飯食べたのか?」
「.........はぁ?」
何気なく色島弟にそう尋ねると、ふいに後ろからとてつもない冷たいオーラが流れてきた。
何事かとぎょっとして振り返ると、先程までとは打って変わって、出会った当初の頃のように殺意に満ちた目をした色島弟が俺を睨みつけていた。
「え、な、何......いきなり」
「.........相模、お前よぉ......ふざけてんのかぁあ?」
「......ふ、ふざけ...?......い、いや、ふざけてないよ?...てか、何が」
「.........ふざけてやってんじゃねえとしたらとんでもねえ野郎だなお前はよぉお.....クソが....一回殴らせろてめぇコラアアァアアアァ!!!」
俺の胸ぐらを掴みぐわんぐわん激しく揺さぶる色島弟は物凄い剣幕で流石の俺もその変わり身の早さについていけていない。ていうか何でいきなり怒ったの!?
「ま、まって、色島弟!!話し合えばわかるって!!!」
「一方的にふっかけてきたのはてめぇなのに話し合おうだなんていいご身分じゃねえかアアァアアアン!!?」
よくわからないがめちゃくちゃキレてる。まって、言ってくれないとわからないって俺馬鹿だもん!!!
「.........お、お願いだから、な、何で怒ってんのか、教え、て......ください...」
「...何っでわざわざ」
「ごめん!...でも俺馬鹿だから、教えてくれなきゃ色島弟がどうして怒ってんのかわからないんだ...これ以上お前を怒らせたくない。...だから、お願い」
俺をじっと見つめていた色島弟は、一瞬だけ顔を歪め舌打ちをした後、忌々しそうな顔で俺をにらみ返した。
「......初対面の時は普通だったくせに、兄貴がいるってなったらそれかよ.........」
「............え?何...」
「俺は!!!...俺達は!!......色島兄でも、弟でもねぇんだよぉおおお!!何が兄だ弟だふざけてんのかてめぇはぁああ!!んなもんで区別した気になりやがって............だったら俺もお前の事相模一人っ子って呼ぶぞコラアァアア!!!」
............なるほど。そうか、そういう事か。俺がきちんと名前を呼ばなくなったから怒ってたのか。
...まぁ、初対面の時は色島は一人だと思ってたからちゃんと色島って呼んだもんな...でも、色島兄がいるってわかってからは、兄と弟ってつけて呼んでたっけか......
...それにしても相模一人っ子っていう呼び名はまた違う話だとは思うけどな。際立って面白すぎだろその呼び名は。
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