再び

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放課後、何の予定も理由もなく一人で校内をぶらつく。 パシリやってた時はこんな事してたらすぐそこらの不良に見つかって「オラ小銭隠してんだろ飛べよ」って言われてジャンプさせられたりとか色々ひどい目に遭わされてたが、今なら何の心配もない。 俺を遠巻きに見つめるヤツがいれば、声をかけてくるヤツ、意にも介してないヤツとか様々だけど、何よりもそれがいい。 俺が興奮気味にスキップなんて嗜み始めた時だった。 「......うわ、一人でスキップで校内ぶらつく不審者がいる.........SNSに晒そ」 こ、この絶対零度の俺を舐め腐った声は...!!! 「やっぱりお前か、武虎...!」 「久しぶりっすね、相模さん」 やる気のない顔、感情のない声、のっそりとした動き。これはまさしく赤城武虎だな。 「そんな久しぶりってほどでもないけどな。わざわざ俺に話しかけてきたりして...........懐いてんなぁ」 「別に話したかった訳じゃないんですけどね。でも校舎の中で一人でスキップしてる変人見ちゃったら声をかけずにいられなかったというか...........今声掛けとかないと後々調子に乗ってやばい事やるんじゃ?って思って不本意ながら声掛けました」 「相変わらずの減らず口だな、お前は......俺みたいにイケメンで心根の優しいヤツじゃなかったら殴られてんぞ...」 「そうですね。よかった、相模さんがイケメン(笑)で」 「おい今副音声でイケメンの後に(笑)ってつけたの気づいてるからなお前」 「すいません、相模さん(爆)」 「爆笑すんな!!つうかもう、(笑)とか使う人間多分この世にいないからな!?............で、そういうお前は何してたの?放課後一人でぶらついてるって所は俺と同じじゃんよ」 「あー......面倒なのから逃げてたというか、何というか...でも逃げるのも面倒になったのでどうしようかなって思ってた所です」 「どんだけ面倒くさがりなんだよ......てか、面倒なものって一体何なんだ...?」 色々疑問はあるもののそこには触れないでおく事にした。つうか聞いてもまともに答えそうに思えないし。 「...もしまたそれが来たら生け贄......助けてくださいよ」 「なんで俺が......つうか今生け贄って言いかけたの誤魔化せてないからね。そろそろその認識を改めろや」 「え、きゃわいい後輩が困ってるのに助けないでどうするんですか?先輩の務めとして困ってる後輩を見かけたら全身全霊で助けるか役に立てぬと悟り早々に自害するかしかないでしょう?」 「何でその二択なんだよふざけんな俺はお前を助けずとも一人で強くたくましく生きるわ。第一、そのきゃわいい後輩なんてどこにいるんだよ...........そんなのが存在してるんならそりゃ守ってやるけどさ」 「......え、自分の事が見えていない...?......オススメの眼科紹介しましょうか?」 「お前の事が見えてないんじゃなくてお前は別に可愛くないって言ってんの!つうかニュアンスでわかんだろおめェ!!!!」
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