292人が本棚に入れています
本棚に追加
/138ページ
「......あ？......お前ら、何でパシリなんかと仲良くやってんだよ」
嫌悪感剥き出しの顔で俺を見つめているのは、渋谷の右腕(自称)の松岡孝輔だ。
何でも渋谷グループ創設当初から渋谷といるらしく、グループ内では一番の古株らしい。
そんな松岡に対して俺が知っている事といえば。渋谷をリスペクトしてるって事と、クラスのパシリ的立ち位置の俺の事をすげえ嫌ってるって事だけだ。
「あぁ？つうか、こんなヘタレとつるむ理由があんのか？あ？俺がインフルで休んでるうちに何しやがったんだよ......あ？」
いや最近いないと思ってたらお前インフルだったんかい。何なの、流行ってるモノなら何でも追っかけたい年頃なの？ファッションだけにしとけよ病気まで追っかけんなよ。
つうか会話内で何回あって言うの？馬鹿の一つ覚えなの？それが不良あるあるなの？
「ああ、ここの所ずっと休んでたから松岡は知らなかったな......実はな」
冴嶋が俺と渋谷の事を手短に松岡に説明している。松岡はふんふんと頷きながら聞いていた。
「何言ってるかよくわかんなかったけど、だからって何で相模がいきなりこんな扱いになるんだよ。こんな腑抜け野郎が」
よくわかんなかったのかよ。あんだけ丁寧に説明した冴嶋の努力返してやれよ。アイツ絶対俺より馬鹿だよ。やーいバーカ。
「あ？てめぇ何見てやがる......見てんじゃねぇよ、殴られてぇのか」
「いや、あの、体はもう大丈夫なのかなーって」
「あ？大丈夫に決まってんだろ。俺をそんじょそこらのヤワな野郎と一緒にすんじゃねえよ。飯食って寝てたら治ったわ。こんなのは気合いなんだよ気合い」
マジかコイツ。インフルだぞ。普通の風邪じゃないんだぞ。...つうか、この口ぶりじゃ病院もまともに行ってないだろうな。
そうかバカは風邪引かないってのにはインフルも含まれるのか。
いや待てよ薬使わないでインフル治るかよアホか。つうか例え体調的には治っても何日か学校来ちゃダメだろそんな事も知らねえのか？何だコイツ大丈夫か。
最初のコメントを投稿しよう！