再び

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「はー...相模さんはもっと後輩に対して優しくすべきだと思いますよ。こんな寂れ......弱小........小さいチームに入る奇特なヤツなんて自分くらいですよ?もっと有難がって重宝してください」 「ぐっ......それは、そうだけど......でも、俺別にお前の事入れたくて入れた訳じゃないもん......お前が入りたいって言ったからじゃん。.....そんな事言いながら、お前俺のチームの事好きなんだろ?」 「...ええ、まぁ。寂れてるし小さいなとは思ってますけど、弱いチームだとは思ってないんでね。......あの斎藤さんもいますしね」 「まぁ、斎藤の勧誘はすげえ頑張ったからな...てか、俺のチームのメンツちゃんと知ってんだな、お前......」 「.........そりゃ、メンバーを知りもしないで入れてくれなんて言いませんよ。下調べくらいしてますよ」 「あ、まぁ、そうか.........いやでも、知ってくれてて普通に嬉しかったからさ。俺らまじで駆け出したばかりの小さいグループだし.........俺らの存在を知ってくれてる人がいるってだけですげえ事だと思ってさ」 「へえ、随分謙虚なんですね。主張の強いその顔とは違って」 「.........うん。それは俺の顔が思わず目を引くくらい美しすぎるという意味だとして流しておこう。あ、そうだ。斉藤の事だけじゃなくて、俺のグループには松岡ってヤツもいるからそれもちゃんと覚えとけよ。あ、松岡が可愛いからって惚れるなよ。松岡は俺の嫁だから」 そこまで言ったところで、それまで無表情だった武虎が僅かに顔を引き攣らせたように見えた。 「......今聞くまでただの噂だと思ってたんですけど、相模さんが松岡さんに入れ込んでる...っていうの、マジだったんですか?」 「大マジだよ。まぁ、松岡はあれだけ可愛いからな...俺が可愛く思うのも自然の摂理だろ」 「.........自分がこんなだからか知りませんけど、よくそんな事知り合ったばかりの後輩に言えますね。何か思う事はないんですか?」 「何がだ?」 「...だから、変に思われたらどうしようとか」 「何でだ?俺が松岡を好きな事は変な事じゃないだろ。人が人を好きになる事なんてありふれた事だろ。それが俺の場合はたまたま松岡が男だったってだけで、それはそんなにおかしな事になるのか?...お前は、俺がおかしな事をしてるって...異常だ、って言いたいのか?」 そう言って武虎をじっと見つめると、武虎が僅かに目を見開き、そのまますぐに目を逸らしぼそぼそと何かを呟いた。 「経過はどうであれ、あの渋谷の下から離れてボスになるくらいだし........その上あの斎藤からは一目置かれてる訳で........この妙な落ち着き方や迫力もだけど.........相模も只者ではない...って事か」 「ん?何て?お前基本的にローテーションで声ちっさいんだからおっきな声で喋りなさいよ、聞こえないから」 「いや別に相模さんに話しかけてる訳じゃないんで。独り言にまで反応すんのやめてもらえますか。ちょっと欲しがり過ぎで引きます」 「欲しがり過ぎ!?ただ会話しようとしただけで!?」
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