再び

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「......えーと、どしたの?何か用事だったの?」 「...あァ......実は...」 斎藤の話をまとめるとこうだ。今日斎藤は午前中にカフェで、午後からはバーテンのバイトが入っていたらしい。高校生がバーテンってとかのツッコミはこの際無しだ。 それでさっそく指定されたお店に行くと、何やら閑古鳥が鳴いていたと。マスターに尋ねてみると、最近近くに出来た新しいバーに店員を全員引き抜かれたとの事で。 今日はすでに新規の客の貸切の予約も入っていて大事な日なのに、人手が足りずお店が開けないとの事で、たまたま今日お店に来た斎藤にマスターは泣きついたようだ。 誰か今日いきなりでも働ける知り合いはいないかと言われたらしい。それで斎藤は困りに困って俺の所に来たようだった。 「......こんな事いきなり頼むなんて非常識だってのはわかってる......でも、みっともねェんだが、こんな事頼めるような知り合いがお前しかいなくて......いきなりで本当にすまねェけど、相模さえ良ければ手伝ってくれねェか。.........急な話だ、断って当然だから、気にしなi」 「おっけー、俺でよければ手伝うよ」 「............い、いい、のか...?」 「え、いいよいいよ。むしろ俺でいいの?お酒の知識とか何もないけど...」 「いや、作るのは俺とマスターでやるから大丈夫だ......本当にいいのか?急な誘いで........気を遣う必要はねェんだ。無理は」 「気なんて遣ってないし、無理だってしてないよ。それに、一人で暇するより斎藤とバイトする方が楽しいし、俺的時間の有効活用だからさ」 「...相模............すまねェ、ありがとな.........この礼は必ずする。...悪ィ。お前の時間貰うぜ」 「おうともよ!...俺で助けになれればいいけど.........とりあえずそこに急いで向かおうか」 「あァ、本当にありがとな.........そこまでバイクで行くから、後ろ乗ってくれ」 「お、やった。久しぶりだな、バイク乗せてもらうの」 「.........そうだな.........前に飯食った時以来かもしれねえな.........相模、ほらメット.................落ちねえようにな」 「おう、斎藤の体がねじ切れるくらいしっかり掴まっとくわ」 「ふ.........あァ、しっかり掴まってろよ」 こうして俺と斎藤は問題のそのバーへと向かった。
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