再び

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「うーわ.........カッコよすぎだろ.........」 そう、あまりにもカッコよすぎて皆の視線を集めそうなのはもちろん斎藤.................ではく、もちろんこの俺のバーテン姿だった。 服装に合わせて少しいじった髪型も含めてキマリすぎている。流石俺だわやっぱりアイデンティティがイケメンなだけはある........読者の皆さんに見せてあげられないのが勿体ないくらいだ。 鏡の前でポーズをとりながら自分のイケメン過ぎる様に惚れ惚れしていると、その横にすっと斎藤が並んだ。 .........う、うわ.........ワックスで撫で付けられたオールバックの髪に.........タッパが有るゆえに俺より少し窮屈そうなバーテン服.........悔しいが同じ男としてかっこいいと言う他ねえな......... 「斎藤.........背が高いのもだけど、俺よりガタイいいからそういう格好似合うな.........なんか身体に沿ってピチッとなってるスーツって卑猥だな.........初めて知ったわ.........」 「.........何か、そういう風に言われっと照れるな.........まァ、俺なんかよりお前の方が似合ってるぞ.........誰にも見せたくなくなっちまうな.........すげえ、イイ」 「ちょ、やめてやめて耳が孕んじゃうから耳元で悩殺ボイスで喋らないで言い回しも何かえっちだから」 「耳が孕むってお前.................面白ェ事言うなァ.........んな事言われたの、初めてだ」 「マジで?誰にでも聞かせない方がいいよ?本気でやべえから!いきなり、この子認知しなさいよ!!って知らない女子から迫られても俺庇ってあげられないよ?」 「いや、んな訳.........................まァ、褒め言葉として受け取っとくわ.........サンキュ」 俺の頭を軽く撫でた斎藤が、マスターの所へと今日の段取りを聞くために去っていった。 .........さっきは耳が孕むなんて馬鹿みたいな事言って誤魔化したけど.........あれは100%嘘って訳じゃない。 だってまじで腰抜けるかと思ったもん!!斎藤は前から低くていい声だよなとは思ってたけど......何つうか.........そういう時の声はそれより更に数段いいんだよな......... .........あんな声で耳元で囁かれようもんなら即落ち二コマなんだわ.........もうどうにでもしてって大の字で寝っ転がりそうになるわ.........
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