再び

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「.........相模?知り合いか?」 「あぁ、斎藤。紹介するな、コイツは吹奏楽部でトロンボーン担当の.........」 「やっっってねぇわ吹奏楽部なんてよオォオ!!!!!!!!!つうか何で担当楽器まで決まってんだよ!??」 「え?トロンボーンのあのビヨビヨ伸ばす所気に入ったのが決め手だって言ってなかった?」 「楽器決めてるわりに浅い理由出してくんじゃねえよぶん殴るぞォオオオォオオ!!!!!」 そう言いながら聡に力の限り殴られた。待って普通そういうのってやる前に言うもんじゃないのか?殴りながら殴るぞって言う?言われてどうすりゃいいんだよ。流石有言実行!!!としか言いようがねえよ。 「.........おい、暴力は.........」 「あー、大丈夫大丈夫、斎藤。コイツ暴力ヒロイン枠だからさ。ちゃんと加減してんの、派手だけど痛くない方法をわかっててきちんとそのように殴ってくれてるから。かまってちゃんが行き過ぎるとこうなるっていうかね。最終形態?」 「二度と喋りたくなくなる力で殴ってやってもいいんだぜェエエェ.........?」 「大人しく黙りマース.........」 聡の目がガチだったので俺は大人しく黙り込んだ。それでも聡は俺を信用していないのかきちんと黙っている俺にギラついた目を向けてくる。 「.........で、結局のところどこの誰なんだ?」 「えーと.........コイツは色島聡。昔は舞校のボス候補を一人で来るよう呼び出しては多勢に無勢でボコって潰すっていう野蛮な事をしてたけど、今は俺にメロメロになりただのツンデレヒロインに成り下がった男だ」 「事実無根な事をよくもそうぬけぬけと言えたもんだなアアァアァア!!?よほどもう一回殴られてえみてえだなぁ?!」 「この独特の間延びした語尾がチャームポイントの可愛いヤツだ、よろしくしてやってくれ」 「よろしくなんかすんじゃねぇぞォ.......俺はそもそも一匹狼なんだからよ.........強えヤツはつるんだりしねぇんだよ、わかんだろ?」 「.........手下みたいなのあれだけ引き連れて俺を追いかけ回してえっちな事しようとしたくせに?」 「ば、ば、バカかてめェエェエはァッ!!!!ん、んな事してねぇだろぅがアア!!!!俺はただお前を集団で囲って逃げ場無くしてから二度と俺に逆らおうなんて考えなくなるよう手の指全部へし折って前歯ぶち抜いて日常生活ままならねぇくらいまではボコってやろうと思ってただけで......そんで3ヶ月くらい入院させてやって、それで.........と、とにかく、そ、そんな、事、考えてなかったに決まってんだろバァアカ!!!!」 「あの、可愛く照れながら恐ろしい告白するのやめてくれない?え?あの時俺の事そんな目に合わせるつもりだったの?聡の可愛さでも誤魔化しきれない恐ろしい暴露浴びてる俺どうすれば?」 フン!と言いながら赤らんだ顔を隠すようにそっぽを向く聡は大変可愛いが、言っている事が恐ろしすぎてそれどころではない。 知らなくてよかった事を知ってしまったかもしれない.........俺これからも聡の前で今までと変わらない笑顔で笑えるかな.........
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