立派なDQNの作り方＃

再び

「.........もういっぺん言ってみろや、てめぇ」

「お前の噂は聞いている。お前、あの色島聡だな？多勢に無勢で無抵抗の人間を卑怯な手で痛めつけて回ってるっていう。決して一人では戦わないって噂だよな。.........そんな事をしないと戦えないお前が、相模より強い訳がねェだろ」

「あ？んだと、てめぇコラ.........だったら今ここで俺が強えって事証明してやってもいいんだぞ？表出ろや」

「‪本当に強い人間はお前みたいに無闇矢鱈と力を振りかざしたりしないもんだ。.........必要な時以外はその力を隠してる。相模みてェにな」

「.........お前、どうしても俺の事をクソ雑魚扱いしたいらしいな？」

「.........そう見えてんのが自分の言動のせいだとは思わねェんだな。めでてェ野郎だ」

「！！！！！.........てめぇぇええ.........！！！.........さっきから俺に大層な口利きやがるな、大体がどこの誰なんだよてめぇはよぉおお！！」

「.........お前と同じ舞校二年の斎藤雄歩だ」

「.........ハッ、知らねぇな。どこの雑魚だよ」

「お前みたいに悪評で名前売ってねェからな」

「.........あ？」

さ、さっきから殴り合い発展二秒前って感じなんですがどうしたらいいんですか！！？？？

え！？何でだ！？確かに舐めた口はきいてるけど、聡は別にここで暴れようとしたり変な事言ったりした訳じゃねえし.........

何ならマスターとも知り合いっぽいからどちらかというと害のない人間だと思われてもいいはずなのに.........てか、この感じ二人は初対面っぽいのにどうしていきなりこんなに険悪に.........？

.........ハッ.................も、もしや.................

「やめて、二人ともッ！！！！！俺のために争わないで！！！！！！！！」

「だァァァァれがお前なんぞのために争ってるってんだよこのスカタンンンンンン！！！！！！！！！！！」

「スカタンなんて現実で聞いたの生まれて初めてッ！！！！！！！！！一度言ってみたかったの出来心だから許してよぉ！！！！！！」

「.........そうだな。お前のために争ってるよ、俺は」

「だよね俺なんかのために二人が争うなん、て.................さ、斎藤くん？今なんて？今なんか俺に都合のいい言葉が聞こえたような気がしたんだけど.........」

「.........俺は、お前とソイツが仲が良さそうなの見て勝手に嫉妬して.........俺以外と楽しそうにしてるお前を、見てんのが嫌で.........そんで、柄にもねェ喧嘩の売り方しちまった。.........悪ィ、ガキみてェだよな.........」

.................き、聞きました奥さんっ！！！？？？お、俺、どうやら思っていた以上にむちゃくちゃ愛されてるようなんですが！！？？？？