再び

14/21

292人が本棚に入れています
本棚に追加
/138ページ
「.........ダメだな、俺.........お前の事となると、本当に余裕、ねェんだわ.........心底惚れてるから.........こういう余裕ねェ所見て失望しただろ...?.........カッコ悪ィよな.........惚れたヤツの前ではできるだけカッコつけてェってのが男の性なんだけどな.........そううまくはいかねェか.........」 そう言って本当に後悔しているような顔で力なく笑う斎藤は身勝手な怒り方をしたと落ち込んでしまっているようだが、正直俺からしたら興奮ものでしかない。 確かに斎藤から好きだと告げられてはいるが、まさかここまでだとは思いもしなかった。他の男と仲良く話してるのに嫉妬して?俺以外とそんな話すなって思ったって事だろ?え?独占欲最高なんだが? 「いや、俺は、嬉しい限りだけどな.........そこまで愛してもらって嬉しくない人間はいないだろ.........」 「.........お前は優しいな、相模.........でも、優しくすんのはやめてくれ.........勘違いして一人で浮かれて.........更にお前に惚れちまう」 「い、いや、惚れてるかそうでないかと言ったら俺は斎藤と一線超える覚悟ぐらいは既にあると言いますか.........もはやそれを超えてみないとわからない事もあると思うから一度超えてみるのもありなのではと思っているとも言いますか.........」 「は、はァァァァア!!!??黙って聞いてりゃ何抜かしとんじゃテメェエェエエエエエはよォオオォオオ!!!!!???お、お前、コイツに惚れられとるんかァァァ???!!そ、そんなの聞いた事ねぇぞォオオォオオ!!!!!」 「い、いや、だってわざわざ聡に報告する事ではないしなぁ.........俺の家族でもなけりゃ恋人って訳でもないしなぁ」 俺がそうマジレスをすると聡が一瞬傷ついたような顔をしたように見えた。だが、本当にそれは一瞬の出来事で。次の瞬間には、わなわなと肩を震わせて俺を睨みつけていた。 「.........じゃあ何かよ、おめェエェ.........そいつと付き合っとんのか.........?」 「いや、付き合ってはないよ。保留にさせてもらってる。人としては限りなく好きだし俺ももはや性別には縛られてないから何で悩んでるかは正直今となってはわからないんだけどな」 「そ、そうか、付き合っては.........ってはァァァァ!!!??何じゃそれはァァァ!!???そ、そりゃ、おめェ、結局好きって事なんかァァアァアア!!!???ハッキリしろや殺すぞォオオォオオ!!!!!」 「何で!!????だ、だから、流石に俺も男と付き合った事はないから色々不安で.........まだ考えたい事もあるから先延ばしにさせてもらっているというか.........というか、松岡の事も気になったままだし、気がかりもあるしなぁ.........」 「.........誰だよ、松岡って.................んだよ、お前.........じゃあ、事ある毎に俺にセクハラかましてきてたのは気まぐれかよ、テメェエエエ.........」 「いやそれは純粋な性欲で!!!!!!!!!抑えきれないリビドーが爆発した結果といいますか!!!!!」 「余計最悪だテメェコラァアァァア!!!!!!殺す!!!!もう殺す!!!!!万回殺す!!!!!!!!」 そう言って殴りかかろうとするように拳を振り上げた聡を必死に宥めようとするが聡は鼻息を荒くするばかりで落ち着きそうにない。 や、やはり男同士とはいえ性欲に素直に従った結果でしてなんて正直に話すべきではなかったのか!??
/138ページ

最初のコメントを投稿しよう!

292人が本棚に入れています
本棚に追加