立派なDQNの作り方＃

再び

「ま、待って落ち着いて聡！！！性欲に従ったのは紛れもない事実なのですが！！！お、俺だって、誰でもよかったって訳じゃないんだからね！！？」

「ァァァん！！？？？この後に及んでタイプがどうとか抜かすつもりなんかテメェェエエエエエ！！！！大層な口聞くなやぶっ殺すぞォォオオオオ！！！！！」

目前に迫る聡の拳に俺は思わず目を瞑る。何の解決にもならない事はわかるが、目を開けたまま殴られるなんて正気の沙汰ではない。

「ち、ちが、そうじゃなくて........惚れてるとかそういうのではまだないにしても.........多少は好きだなって思ってたり.........そういう事してみたいって思った相手にしか、俺だって流石にセクハラはしないよ！！！見境なく誰でも触りたいって思う訳ではないんだから！！！」

「.........................は？」

「.........だ、だから、俺だって.........聡の事可愛いって思ったり、触りたいなって思った事が少なからずある訳でして.........そりゃ最初は怖いし関わりたくないしか思ってなかったけど.....今はたまらなく可愛いと思うし......って言ったら、聡は逆に怖いか.........友達から恋愛対象として見られてたって事だもんな.........」

「.........................すると、何だ、テメェ.........その松岡.........ってヤツ、とか.........そこの、斎藤と.........俺は変わんねえって事かよ？」

「.........は、恥ずかしながらそうですね.........全員俺にとっては今気になる人で.........意識している人にあたりますね........そこに今の所順位とか、つけられないし.........皆等しく好きというか.........み、見境のない惚れっぽいクソ変態キモ男だって思ったでしょ！！！？？？」

だから言いたくなかったんだ！！俺だって流石に困惑しているというのに！！！誰か1人気になるだけならわかるよ、でも今俺は松岡に斎藤に聡に渉に.........4人もの人間を意識しているんだぞ！！？？

武虎に指摘されてどれほど俺が驚いた事か！！！あんな蔑んだ目で見られた気持ちもわかる！！俺だって客観的に見て気が多すぎるしキモイなって思うもん！！！

だけど俺も年頃の男なんだ！！！！あわよくば誰かと懇ろな関係になりたいと常から思うのが普通ってもんだろ！！？？そりゃ積極的にセクハラだってするさ！！！

なんて俺がだんだんと開き直りかけていた所だった。ふと、周りが静まり返っている事に気づき、恐る恐る閉じていた目を開く。

そこには拳を振り上げたまま固まる聡と、口元を手で覆い隠したまま固まる斎藤がいた。.........どちらも、見た事がないくらい顔を赤く染めていた。.................エッ何故に？

状況が理解できないまま2人を交互に見つめ、俺は必死に頭を働かせていた。.........俺が目を瞑っている間に何があったんだ？誰かが風のように現れ2人にセクハラして去っていったとか.........？え？これもしかして時止めAVパロ？？

「.........あ、あの、2人共.........もしかして、引いた.........？お、俺が、2人の事、そういう目で見てるって知って.........」

「.........お、俺は.........」

「.........俺は嬉しいぜ、相模」

「さ、斎藤.........」

「.........惚れてるヤツに、少なからずそういう意味で好きだって言ってもらえたんだ。嬉しくない訳がねェだろ.........ま、俺だけじゃねェのが複雑な所だが.........すぐに、俺だけしか見えねェって言わせてやればいいだけだ」

「ヒッイケメン.........」

「.................あ、う.........」

「.........さ、聡.........？どうした.........さっきから全然喋らないけど.........キモすぎて言葉も出ないのか.........？」

「ち、違っ.........お、俺は、お前.................お前、なんか.........！！！」

「エッ今罵倒して突き放されたら寂しさとつらさで余裕で死ねるが」

「.................お前、なんか.........！！！.................き、嫌っ.................嫌い.........」

「あーーー待って予想してたし仕方ない事だけどつらすぎてメンタルやられるやっと懐いてきたと思った子猫にいきなり肉抉る勢いで噛み付かれたくらいのつらさある.........」

「.........................嫌い.........................じゃ、ねぇ、よ.........バカッ！！！！！！！！」

「そうですよね俺の事なんて嫌いじゃな.................えっ.........................エッ！！！！？？？？？」