再び

17/21

292人が本棚に入れています
本棚に追加
/138ページ
「.........お前.........頭おかしいのはわかってっし.........わかってて、こういう事言ったけど.........こんな時くれぇもっとマシな事言えねえのか....?」 呆れたような声音の聡に目をやると、先程までの赤らめられた可愛らしい顔はどこへやら、げんなりとした顔をしている。 だって好きって言われたんだぞ!!??最初は俺の事最高に嫌ってた聡から好きって!!!キスやハグやセッ.........セックスができる関係になれますよって言われたって事でしょ!!!!??? 「い、いや、でも、確かに俺も聡の事好きだけど、まだそういう感情かはわからないっていうか.........いきなりセックスしたいと言われても流石に戸惑うと言いますか.........!!!希望に応えられるか自信がないというのが恥ずかしい限りではありますが私の本心でして.........!!!!!」 「........だァァァれが、んな事してぇっつったんだよバカ雅貴ッ!!!!!!!!!好きっつうのが必ずそういう意味だと思うなッ!!!ダチとして好きとか色々あんだろうがよォオオ!!!!!この色ボケ野郎!!!!」 聡の言葉にはたと動きを止め、冷静に考える。そ、そう考えてみれば確かに.........別に聡は俺が好きだから付き合いたいとかむしろ突き合いたいとかは一言も言ってないんだよな......... ただ、嫌いじゃないよ、好きだよって言っただけで........え、それってつまり.........それってさぁ......... 「えっちな事はできない......ってコト.......!?」 「.........当たり前にそういう事だし、今の論点はそこじゃねえだろ、ボケカス.................す、少なくとも、こんだけキモイ事言われてんのに嫌いになれねえくらいにはお前の事認めてるって事だよ、わかったかハゲオラァァァ!!!!!」 「ふ、ふえぇえ.........日本語って難しいよぉ.........好きって言ってもらったのに何もできないのおかしくない.........?」 「.........相模、部外者の俺が口を挟むのもおかしな話かもしれねェが、ソイツが言ってんのはそういう事じゃないと思うぜ.........恋愛感情とかはなくて、ただ人間として好きだって事だろ」 「.........なるほど.................冷静になってみればそういう事か.........................つまり、いずれはそういう関係にステップアップできるようになるまでのスタート位置に今やっとついたって事ね?それっていつ来る?明日?」 「おうお前が冷静にもなってねえし、何も欠片も理解できてねえ事だけはわかったぜ、クソカス変態野郎がよォォオ」 「スルーしようとしてたけどさっきから罵倒すごくない!!??」 なんて一通りふざけてはみたが。流石の俺もそこまで頭のおかしい人間ではないので、聡が言う"好き"という言葉が恋愛対象としてでは無い事くらい理解できている。 ただ、それだけでもめちゃくちゃ嬉しかったがゆえに照れまくってついついいつも以上にふざけてしまっただけのお茶目なイケメンなのだ。 だって誰が予想できたよ!?俺達がダチになれるとか!?しかもあの、あの聡に好きだと言わしめる事ができるなんて!?
/138ページ

最初のコメントを投稿しよう!

292人が本棚に入れています
本棚に追加