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「茶化しちゃったけど......普通に、めっちゃ嬉しいわ.......つまりはさ、聡が俺の事を結構好ましい存在だって思って.........そばに居る事を許して...いや、むしろ望んでくれるくらいの関係になれたって事だもんな?」
「.........まぁ、そう、なるな」
「マジですっげぇ嬉しい。俺も聡大好きだし。これからはもっと更に気兼ねなく話しかけるわ。いつも絡みまくって話しかけてどんどん仲良くなりてぇもん。例え聡が俺の事そういう風には一切見てなくて、ダチとして純粋に好きでいてくれてるとしても......それだけで嬉しいや」
「.........別に、.........そういう、かん、じょうが......1ミリも、ないとは.........言って、ねぇ、し.........」
「.........!!!」
「え?何か言ったか?俺もうマジで嬉しいから今日記念日にするよ?聡マブダチ記念日。だから貰った言葉全部記憶してたいし、ちゃんと聞こえるように...」
「.........!.........っ、んにも、言ってねぇえええよ、バァァアカ!!!」
そう言ってフン!と鼻を鳴らした聡はぷいっとそっぽを向いてしまった。俺に自分が言った言葉を要約されてマブダチ宣言をされた事に照れてしまったのかもしれない。愛いやつめ。
その隣では何も言葉は発さないが複雑な顔をした斎藤がじっと聡を見つめている。.........あれは友好的な顔っていうより、むしろ.........何だろ、あれは.........
「斎藤?どうかしたか?そんな顔で聡の事見つめて.........ハッ.........ま、まさか、聡に恋慕.........!!?!私の事が好きだって言ったのは嘘だったの!?遊びだったって言うのね!?」
「.........」
「確かに聡は頭ぶっ壊れてると見せかけて実はただのピュアピュア極照れ屋純情かわい子ちゃんヤンキーだけど.......斎藤は俺の事ずっと好きでいてくれると....」
「.................俺が、どれだけ相模に惚れてるかを、今すぐ力ずくでわからせられてェか?」
にっこりとした柔和な表情は崩さないまま恐ろしいオーラを放ち始めた斎藤に心底ビビった俺はただちにすみませんでしたと平謝りを繰り返した。
お、男前ってキレるとあんな迫力あって怖いんだな知らなかった...!!!!!いやイケメン度では俺も引けを取らないが、俺が怒っても怖さより美しさが勝っちまうってのに....さ、さすが舞校で学生やってるだけある.........すぐ忘れちゃうのよその設定.........
「あ、ち、違うからね、本当に.........斎藤が俺の事マジで好きでいてくれてんのはちゃんとわかってるし.........だから俺もちゃんと応えないとと思ってはいるし......ふとすると意識してしまうからついノリとかで誤魔化しちゃう、と言いますか.........その.........」
「.........へえ?.........意識してくれてんだな?.........じゃあもしかしてその期待に応えねェとか?」
「.........!!.........い、いや、その、ちがッ......アッ、やめてどアップしんどい男前がすごい!!押し寄せる男前に俺のイケメンさが霞んじゃう!!やめて、ソーシャルディスタンス保って!!!男前さはまだまだ五類には該当しませんよ!!!!」
「つれない事言うじゃねェか......今の今までほっとかれたんだ、少しはいいだろ.........?」
「アッアッ耳元でウィスパーボイスで囁くのやめてッ!!!!!耳が孕むってこういう事!!?エッッッッロ!!!吐息混じりの声やばすぎふぇえぇええやめてやめて性癖歪んじゃうぅうぅううう!!!!!」
俺の必死の抵抗もものともせず、むしろ面白がるような表情の斎藤がどんどん距離を詰めてくる。壁に追いやられ、いつのまにやら股の間に差し入れられた斎藤の脚がじわりじわりと上に登ってくるのに怯えると同時にゾクゾクとした何かを産む。何これ初めての感覚ッ!!
「らめぇええぇえええぇええ!!!!お、女の子になっちゃうぅぅぅう!!!!!!!!!」
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