再び

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「.........な、にを、やっとんだ、このハレンチ野郎どもがァァァァァァァァァ!!!!!!」 鼓膜を劈くようなバカでかい声に思わず俺達が動きを止めた瞬間。光の速さで聡に殴られた。おそろしく速い手刀、俺でなきゃ見逃しちゃうね。 「お、俺も、マスターもいる、って、のに、何をしとんだアホどもがッ!!!!!」 「あ、ありがとう、聡.........止めてくれなかったらとんでもない事になってたかもしれない.........」 「.........へェ?そこら辺は帰ってから仕切り直すか?.........とんでもねェ事してえんだもんな?」 「アッ、まだそのモード続くの!??ど、どうしたの、斎藤.........?気のせいかもだけど、今日いつもよりテンション高めじゃない......?そういうど攻めみたいな事言うような子じゃなかったよね??!何でいきなり......」 「................柄じゃねェな、これ.................焦ったんだよ。お前らが仲良さそうにしてるの、見て.......相模が俺の前じゃ見せねェ顔してたから....何つうか.......疎外感っつうか.......取られちまうかもって、思ったっつうか....」 「そ、んなの、俺だってそうだよ.....!!!」 斎藤の言葉に返事をしたのは、俺ではなく聡だった。ふいに話に入ってきた聡に驚いたのか、斎藤は聡をまじまじと見つめている。 「雅貴は、俺の前じゃいつも余裕で、のらりくらりと色々言ってきたり.......お、俺の反応が面白えから、ただからかってるだけなんじゃねえかって思う時だって、正直、ある..........でも、お前といる雅貴は.......普通に照れたり恥ずかしがったり....何なら、ちょっと余裕がなくて.......恋してる、みたいだ。それが俺は....」 「ちょっと待てよ...........んなの、俺だって......お前といる相模は露骨にお前に好意むき出しで.......好きだとか可愛いだとか言葉だってストレートで....本当に好きなんだろうなって感じるし.......俺の事意識はしてくれるようになったみてェだが.......俺が急にこうなったから戸惑ってるような、まだ受け入れられてねえみたいな、そんな感じにも見えるし....」 「.......ば、バカかよ....!?んなの照れてるだけだって見りゃわかんだろ!!」 「そんなのお前だって、相模がお前の事本心からめちゃくちゃ好きだってのは表情とか行動とかでわかるだろ....!!!」 「.......あの、お二人共?俺本人にも聞こえてる事おわかり?隣でそういう事俺挟んで言っちゃだめよ?普通そういうの俺がいない裏側とかでやんのよ?今の俺の気持ちわかる?恥ずかしすぎて死にそう、よ?」 「「お前.........!!!.......雅貴(相模)の事よく理解もしねえで無い物ねだりするなんざ....!!!!!」」 「聞いて!!!!??!?何でそんなバチバチしてんの!?つうか普通に二人傍から見たらめっちゃ仲良さそうだし同じ事言ってんのに喧嘩できんのすごくね!?俺がどっちも大好きってお互いちゃんとわかってないのか!?」 俺の叫びは二人に届く事はなく、今にも噛みつきそうな勢いでメンチを切り合う二人を悲しく見つめていた。俺の話してるはずなのに俺ハブくのどうなん?
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