立派なDQNの作り方＃

再び

「二人とも、落ち着いて！！！よーーく思い出して、二人は何で今喧嘩しているの！？？」

「あん！？んなの決まってんだろ、コイツが自分が雅貴に好かれてるって事をちゃんと自覚できてねぇから.........気づけよ、鈍いんだよ！！！」

「それはお前だろうが、相模がどれだけお前を特別に思ってて好きでいるかちゃんと自覚しろ.........鈍感野郎！！！！」

「「.................ん？........相模(雅貴)が、俺の事を、好き.................？？.................？」」

途中でまた仲良くハモリ出した二人はそれでもまだ気づいていないのか、自分の言葉に首を傾げている。

そんな事あるんだ！！？？俺の方が好かれてる！！って喧嘩するならまだわかるんだけどさ、お前の方が好かれてる！！ちゃんと理解しろ！！って喧嘩する事なんかあるんだ！！？？

もはや中心人物のはずの俺がいらないのでは？二人の方が幸せになれるのでは？くらいの仲のいいハモリ披露してくれてる訳だけど、俺は一体何をすればいいんだ？

二人にそれぞれ、バカ....お前の方が好きだよ、愛してる.........とか囁いてキスでもすりゃいいのか？.........いや絶対違うな。それは俺がしたいだけだわ。ていうか二人の今の興奮具合ならキスしてもバレないんじゃね？蚊帳の外寂しくなってきたししてもいいかな？

なんて思い二人にバレないようゆっくりとにじり寄っていると、二人が急にこちらを振り向いた。

それまでまるでその場にいないかのようにスルーされていた俺は、やましい事をしようとしていたのも相まって驚きのあまりそのまま固まった。

「.........雅貴は、俺とコイツ、どっ.........どっ、ち、の方が、すッ......す、す.........好き、なんだよ....ッ！！？」

「.........俺と、コイツなら、相模にとってより大切に、特別に思っているのはどっちなんだ？」

こ、ここにきてそちらに軌道修正されるんですか.........！！？散々俺を無視して可愛い喧嘩を繰り広げておきながら、最終的には当事者である俺に結局答えを求めると.........？！

というか二人の事それぞれ大切だし特別だし大好きだし.........あわよくばエロい事ができたらいいなぁなんて思っている俺な訳だけど、そこに優劣をつけろとおっしゃるんで.........？

それはあまりに酷じゃないか？そこが決められないから何も結論も出せず告白する事もできず、ふらふらと全員に邪な気持ちを抱きつつ、答えが出ていないから結局誰にも何もできずにいるのに？

「.........あの.........俺にとっては二人とも、それぞれがオンリーワンでナンバーワンと言いますか.........とにかく同じくらい大好きで、大事にしたい存在でして.........」

「.............じ、じゃあ、俺に、き、キッ....キス、とか、で、できん、のかよ....？」

「...............................えっ？」

思わずその言葉を発したであろう聡の顔をまじまじと見つめてしまう。.........斎藤がそう言うならまだしも、聡がそんな事を言うなんて.........

「お、前、は.........くっ、口では、いつも色々、エロい事とか、言う、けど.........実際に何かしてきた事は、ねえじゃねぇかよぉぉぉ.........それは、本当は俺の事.........そういう対象だと思ってないからじゃないのか.........？.........慌てたり動揺したりする俺が面白くて、からかってるだけじゃねぇのかよ.........？」

聡の顔は今にも破裂しそうなくらい真っ赤に染められてはいるが、いつになく真剣で.........俺の事を真っ直ぐ射抜くように見つめている。

「.........違う、ってんなら.........俺の事を、本当に、そういう対象として見てるってんなら.........キッ.........き、きき、キス、してみろっ......！！！.........できる、もんなら、な.........！！！！」

.........聡は、真剣だ。だったら、ここで俺がふざけるたり、いつもみたいに軽口を言ったりするのは違う、よな.................そう思った俺は、少し気を落ち着かせてから聡にきちんと向き直した。

言葉を選びつつ、本心を聡に告げるべきだろう。ふざけたりすべきじゃない。.........だって、俺は、本当に、聡の事が.........

「.................それは、むしろ.................していいんですか.........？てかキスってどこまで.........？どこまで触って舐めてしゃぶって挿れる所までをキスと言うんですか.........？！」