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「.........あ?」
それまでバカ笑いしていた松岡が急に静かになり、俺を見つめた。
「今何つった、ヘタレ......俺は寛大だからもう一回チャンスをやる。だからよく考えて行動しろ。今、お前は」
「話が長い。くどい。お前は校長先生か。顔貸せっつってんだから貸せよ、松岡。余計三下っぽいぞ」
「!!......っ...上等だコラ......そんなに死にてえんなら早く言えよ......!」
俺の軽口にぶちギレたらしい松岡がゆっくり席を立ち上がり、俺の前までやってくる。
「来てやったぞ、アァ...?」
「ああ、よくできたな。......ところで松岡、一つ確認する。昨日、お前言ったよな?認めてほしかったら一発ぶち込んでみろって」
「アァ!?......ああ、確かに言ったな。それが一体何だよ。...まさか、俺に一発入れられるつもりか?...ぶはは!!!寝言は寝て言えよ!!」
「...もう十分喋らせてやったし、俺ちゃんと宣言したよな?よし、歯ァ食いしばれ」
「ガッ......!!!!!?」
俺をねめつけるように見ていた松岡の顎を拳で振り抜く。......下手に殴られるよりやっぱり殴る方が痛ェわ。
バランスを崩し後ろに傾いた松岡が床に豪快に倒れ込む。その上に馬乗りになりながら、胸元を掴んで拳を握りしめながら言った。
「とりあえず一発入れたけどどうする?まだやる?ていうか一発ってどこまで?どこまでやっていいの?」
「......ふ、ふざけっ」
「あ、喋れるならまだ元気か?とりあえずもう一回いっとくかぁ。加減し過ぎたかな?」
「!!...ま、待てっ......ぐ......わ......わかったっ......お前を、認めるからっ......!」
俺が再び拳を握って見せると、松岡は慌ててそう言った。
「あーら、話が早い。んじゃ、もうやめとくわ」
「...............う、う......だ、だったらもうどけよっ......き、今日はもうすぐっ」
「...............何やってんだ、お前ら」
その時教室に低い声が響いた。.........やっと来たか。大本命のお出ましだ。
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