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この世には色々なルールというものが存在する。
社会のルール、人としてのモラル、倫理......言い方は違うが、どれも守らなければいけないという点では同じである。
ルールを守る事は大事な事だと思う。様々な人達と共生していく上で、それが自他ともに一番合理的な生き方だと言える。
それを、俺はこの約十七年の歳月を経て学んできた。だから、俺は頑なにその考えを守り生きている。
「おいテメどこ見てんだァ!?余所見してんじゃねぇぞォ!邪魔なんだよ、そこ通せや!!......ったく、根暗がよォ......」
「お前ヒッデー!!!つうか、あんまり言ったら泣いちまうぞぉ?まぁ、泣かせんのも面白ぇけどよぉ!!!ギャハハハハハハハハ!!」
「つうかそんな地味な野郎の泣き顔なんか見たくねぇっつうの!!!お手汚しになるだろうが!!」
「いやそれを言うならお目汚しだろぉ!!!手ぇ汚してどうすんだよ!!ギャハハ、馬鹿が露見してんぞばぁーか!!!」
......そう、この場所で。
......安心してほしい。ここは皆が生きているのと同じ、現代の日本だ。別に世紀末とかじゃない。
俺がいるここ、舞原高校は、俗にいう不良が集まる学校だというだけの事だ。
県内県外を問わず不良達が集まってくるという、まさにコテコテの不良校とやらだ。ヤンクミとかに任せられるような感じの。
そこに通ってるなら俺も不良かって?残念ながら俺は並外れたイケメンではあるが、それ以外は普通の至って真面目な一般生徒だ。
だけど頭が悪いのと運が悪いのとで公立、私立共に受験に失敗したため、仕方なくここに通うこととなった。ここは生徒を学力で判断しない、ちょっと特殊な学校なのだ。
ここは、全寮制で外出は気楽にできるものの、簡単に言うと外界とはほぼほぼ遮断されている。
まぁ、要するに学校とは名ばかりのただの収容施設なのだ。
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