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「お前、意外に話わかるヤツだなオイ!!」
「お前もな、松岡!」
あの後ゲーセンに行ってファミレスに来た俺達は先程までの険悪さは何とやら、類を見ないほど盛り上がっていた。
話してみると松岡は意外に話しやすいヤツで、もともと人懐こい性格なのかすぐに気を許してくれた。
太鼓の達人がたまたま上手かった俺を見て、尊敬した!と言い始めたのが始まりだ。
あれから笑顔も見せるようになり、何よりその笑顔が果てしなく可愛い。屈託のない顔で笑う男子高校生なんて初めて見た、大事に保護したい。
あれだけ俺を見ると露骨に嫌な顔をしてその上野次を飛ばしていた松岡が、今はこの通り俺に対して警戒心0の笑顔を見せている。
俺が言うのも何だが、コイツめちゃくちゃチョロいな。
コイツ......こんなに可愛いのにこんなにチョロくていいのか?つい何ページか前まで俺に向かってあれだけ毒づいてたのは何だったんだ??
これだけチョロいと逆に心配になってきた。松岡の貞操観念は大丈夫なんだろうか。後ろはまだ無事か?
まさかどこぞの馬の骨ともしれん輩に既に拐かされたりしてないだろうな?
いかにもモブ姦されやすそうな顔しやがって!!この尻軽!!ビッチ!!!
邪な気持ちで松岡を見つめていると、松岡に、何だよ見てんじゃねえぞと怒られた。
俺の熱すぎる想いが伝わっちゃったのかな照れる。目は口ほどに物を言うってね。
かくいう俺もあれだけ松岡をしばき回したいと思っていたはずなのだが、今はそんな気は全くない。
むしろ愛でたい。耳元で可愛いって囁き続けたい。あわよくばえっちな事がしたい。
その後も松岡を熱視線で見つめていると、ついに頭をはたかれた。痛い。けど愛おしい。これが恋か。
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