第一印象

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そんな学校に通う事になった俺(スペック:不運、馬鹿。しかしそれを補い余るほどのイケメン)は親にさぞ心配されたと思うだろう?俺も入学前まではそうなるだろうと思っていた。 だがなんと、想像とは真逆の反応をされた。そう、俺は大手を振って応援されたのだ。おめでとう、と。 たった一人の愛しの息子を喜んで不良校に送り出す親ってどういう事よ?え、俺が可愛くないの? 何が、まーくん、パパみたいないい男になるのよ?だ。容姿だけなら既に十分いい男だろうがそれで我慢しろ。 第一いい男の意味をはき違えすぎじゃないか?いつの時代の話なんだ、不良校で成り上がっていく話なんぞ今の時代使い古されすぎて流行りはしないぞ。 ていうかそもそも不良校でどんだけ頑張っても俺の行く末はチンピラか893辺りだよ。 ちなみにまーくんは母親が勝手につけた愛称だ。雅貴だからまーくん。高校生にもなって母親からくん付けされる俺の気持ちを五文字以内で表してみろよ。答えは『キツイ無理』だ。 そんなおそらく正気とは思えない提案をしてきた両親は、俺に幼少期から様々な格闘技を習わせるだけじゃ満足できず、最終的にはこんな世界に放り込む事となったらしい。 そのせいで無駄に強くなっちまったってのに...今じゃリンゴなんて手絞りでジュース作れるわ。...いや、衛生的にアレだからしないけど。 そんな俺は、強さなどとは関係なく、今現在この学校で浮きまくっていた。なぜなら、制服なんて改造してなんぼ、つうか着るの?って感じのここで制服カッチリ着込んでるのは俺だけだからだ。 その上ピアスは開けてない髪は染めていないな俺は中々稀有な存在らしい。つか、カラフルな髪を探すより黒髪探す方が難しいってどうなんだ? そして、そんな俺についたあだ名はガリ勉地味男。何的確に見た目表現してくれてんだよ。つけたやつに座布団くれてやるわ。そんで座った瞬間引きずり下ろしてやる。 しかし俺は面倒を起こして悪目立ちしたくない。そう、こんな学校に入ったくらいで俺はまだ諦めていない。諦めたらそこで試合終了だからな。 例えここがどんだけ底辺みたいな学校でも、目立たないようにしていれば、何なら公務員にだってなれるはずだ。いや、なってみせる。 そしてイケメンすぎる公務員として名を馳せる予定だ。まあ、正直今の段階で言うと半ば白昼夢レベルだけど。ていうか自分で言っておいて何だけどイケメンすぎる公務員て(笑)
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