第一印象

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朝。廊下を歩く俺を誰もが振り返る。中々いい気分だ。 皆が振り返るのも当然だ。だって俺はイケメン......なのはもちろんだが、今日の俺はいつもとは一味違うからだ。 意気揚々と鼻歌交じりに教室に入る。 「おっはよー!」 「お、相模か。今日は随分と元.........誰だ、お前......」 俺に挨拶を返そうとしたクラスのヤツらが俺の姿を見て固まる。 そう、何と今日の俺は髪をスプレーで緑に染めてオールバックにしていたのだった。もちろんヘア〇ャム。 おまけに制服の前のボタンは全開にして、中には意味のない英語の羅列がプリントされた真っ赤なTシャツ。 一夜にして完璧な勘違いDQNの出来上がりだった。そう、俺は形から入るタイプだった。 「......な、何だあれ......ほ、本当に......さ、相模か...?......き、昨日までとは別人じゃねぇか...」 周囲からは驚きの声があがっている。おうおう、中々気分が良いではないか。愉悦愉悦! 「見てみろよ、完全にクリスマスカラーだぜアレ......終わってからしばらく経つのに今更あんな気張った格好......やべぇよ、どうかしてんぜ......」 それは本当に申し訳なく思っている。クリスマスカラーにしたかったんじゃない。たまたま手持ちのカラー剤がだな。 「あ?何だその格好......もしかして、お前...ヘタレか?......ぶひゃひゃひゃひゃひゃ!!遅れてきた高校デビューかよマジだっせぇ!!」 俺をめざとく見つけた(悪目立ちしているだけ)松岡が腹を抱えて笑っている。 だが、対する俺はあくまで冷静に微笑みながら松岡を見つめた。 「おーい、そこで笑ってるバカ丸出しの間抜け顔。そう、お前だよ、お前。お前以外にいねえだろ、このクラスに間抜け顔なんてよ。......ちょっと面貸せよ、松岡孝輔」
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