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序章
シー
どうしたの、眠れないの?
ならこのあいだ嵐が過ぎ去った明け方に、大きく丸い朝陽が宇宙の始まりを示すかのように東の空へ姿をあらわし、リチウムの炎色反応のような美しさで酔ったように大地を染めていただろう
あんなに赤く光る火は、なにを燃やせばできるのだろう
カンパネルラが話していた蠍の火かもしれないね
ひとつの照明が、宇宙のすべて森羅万象を照らします
シー
眠くなるまで聴いていてくれるかい
あの美しくあけぼの色に染まった朝の続きを
まことのひかりの物語を…
きっと最後には、天使の歌が聴こえて来るよ
(シーとは、愛犬シーズーのシーのことです)
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