地獄の淵でミントを巻いた

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　夢の中でも「ああこれは夢だな」って思う領域に精神が達することを私はこの歳で既に知ってしまっていた。現世への拒否反応の産物。いつでも意識を保ったまま行き来できる。あなたもそうなら注意したほうがいい。でも私の場合そこは安住の地だった。
　今日は砂場であの子と遊んでいた。もう顔の輪郭はぼやけて思い出せないけど、淡く漂う大切な記憶。
　そんな素敵な夢を塗り替える壮絶な光景が寝起きの私の前に広がっていた——。