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今まで進んでいた杯が、急に止まってしまった。
「――確かに、人が亡くなって居る御話で盛り上がるのは…」
正人は罰の悪そうな顔で杯を置く。
「何や酒々井君。あんなに盛り上がっといて今更しょぼたれとるのか。阿呆やなあ。犯人の奴は、ホトケさんの為にこれからうんと吊るし上げるから、御前さんも供養の為に呑んでる思えばええ。な?」
そう思わなければ枝盛も酒に手を伸ばしたり出来ないだろう。枝盛が促すように正人の杯に酌をする。
「済みません、水を差してしまったようで」
一方の孝平は割り切って居るのか悪びれることはない。しかし、とりあえずは別の話題に変えようと、
「――そういえば枝盛さん、もうひとつの、連続神隠しのほうは?調べは進んでるんですか」
「西園寺君…君の方は全く情緒欠如やなあ。――君等は両極端で困る」
枝盛は苦笑したが、結局は酒の席の物騒な話は続くことになってしまった。
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