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じりじり照りつける太陽とアスファルトの熱が汗を誘う。
無機質な空間から解放された証しだ。
この焼けつく熱風すら心地よく感じる。
タイミング良くこちらへ向かってくるタクシーに手を挙げ、素早く乗り込み駅へ向かった。
何処へ行こう?
まあ、取り敢えず。地元のある北へ向かう新幹線の切符を買い、それに乗り込んだ。
いつかこんな日が、って言うのが今だってだけだ。
十分打ちひしがれてしかりな場面だが、思いっきり気が楽になった。
むしろ、晴れ晴れしている。
こんな心持ちでいられるのには何か似たようなシチュエーションがかつてあったからだったと思うが…。
あれは、いつの事だったろう。
あぁ。あれはまだ、一人暮らしの学生の頃の事だ。
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