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彼って誰だよ?
勝手だろうそんなの。
優しい所が好きだって言ってたじゃん。
打ちひしがれるのには充分すぎるシチュエーションだ。
疲れた体に追い打ちをかけられる。
半分開いた窓から吹き抜ける生ぬるい風のせいで、じっとりとシャツがまとわりつく。
電気もつけず暗くなった部屋の中、ただじっと座っているしかなかった。
新聞配達なんて割に合わないバイト。「夕方からはゆっくり一緒に過ごしたい。」「たまには外食にも一緒に行きたい。」なんて言うユイのためだったのに。
親から仕送りを貰っていたが、裕福な家庭ではなかったから、昼間の空いた時間に家庭教師、夕方まで夕刊配達とバイトの掛け持ちをしていた。
取り敢えず、体もキツいし夕刊は辞めて、別のバイトで夕方から夜の時間を埋めるか。そんな事をぼんやり考えていた。
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