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「ミル、ミル・クーティ。出てこないか?
外は気持ちいいくらい晴れてるぞ!」
固く閉ざした窓の外から、私を呼ぶ声が聞こえた。
アルグ・レイティの声だ。
変声期を終え、野太く低くなった声はいつ聞いても嫌味のない大人の男性を連想させる。
とても、幼なじみとは思えない。
彼はこの村でも神事に携わっている若手神官だ。
生まれてから15年、私と共に神事に携わることを切に願われて育てられてきた。
マッタリシティの宝だと大切に……。
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